STORYストーリー

1800年、刻々と変化する政治情勢の影響を受けつつも、「音楽の都」として栄えるオーストリア、ウィーン。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(稲垣吾郎)は、豊かな音楽の才能に恵まれながらも、複雑で偏屈な性格のため、行く先々で騒ぎを起こしていた。さらに以前から不調だった聴覚の障害が深刻さを増し、身体のうちに溢れる音楽と不幸な現実の間で、その心は荒んでいる。

だが、彼の才能を深く理解するピアノ職人のナネッテ(南沢奈央)とヨハン(岡田義徳)のシュトライヒャー夫妻、ナネットの妹で後にベートーヴェンの秘書となるマリア(剛力彩芽)、二人の弟ニコラウス(中尾暢樹)とカスパール(崎山つばさ)らとの交流が、徐々に彼の内面を変えていく。
病に身をすり減らしながら頭の中に鳴り響く音楽をひたすら楽譜に書き留めるベートーヴェン。全身全霊をかけて取り組んだ「交響曲第9番」が、初演を迎えたその時、彼の心の内に響いたものは——。